ノートルダム・ド・パリ (その1)

<ノートルダム・ド・パリ>

原作は作家で詩人のヴィクトール・ユーゴー 1832年の作品である

 

バレエの振付け者であるローラン・プティは自身が素晴らしい才能を持ちながらも更にこの<ノートルダム・ド・パリ>をバレエとして制作するにあたり、衣装にイヴ・サンローラン、音楽にはモーリス・ジャールを起用するという当時のバレエ界に於いては前代未聞といってよいほどの偉業を成し遂げ、作品を成功に導いた

 

こんな贅沢な作品が他にあるなら私は教えてもらいたい

 

 イヴ・サンローランと言えばクリスチャン・ディオールに次ぐファッション界のスーパースターで、この私も若い頃から彼のファンであった

 

今だから話せるエピソードがある 

当時、私はカトリーヌ・ドヌーヴ&ミシェル・ピッコリ―主演の映画「昼顔」でドヌーヴが着用していたイヴ・サンローラン デザインのエレガントなジャケットに夢見るほどに憧れてしまい、知り合いの方にそっくり同じものを仕立ててもらって擦り切れるほどまで愛用したものだった

 

そして音楽担当のモーリス・ジャールはかの有名な映画「アラビアのロレンス」をはじめ「ドクトル・ジバゴ」「戦場にかける橋」「ゴースト」などの映画音楽を担当していることでも有名だ

 

実は私はバレエオタクであると同時に大の映画好きなのでもある

当然上記の映画はどれも見ており、特に「ドクトル・ジバゴ」の ”雪一色の悠大な大地を主演俳優を乗せた馬車が走ってゆく” シーンと共に流れる主題音楽は素敵過ぎて今でも耳に蘇る程だ

 

バレエ<ノートルダム・ド・パリ>は、M・ジャールがプチの期待に応えるべく注いだエネルギーと彼独特の音楽センスが踊り手たちの動きと表現を際立たせ、更にはイヴ・サンローランの洒落たデザインの衣装と相まったその舞台空間は見る者を異次元の世界へと誘ってゆく

 

そして極めつけはR・プティの才能が作品の隅々にまで輝いていることである

プチに関しては(その2)にて私がパリに留学した時の彼の評判も含め、改めてお話しさせていただきたいと思う

 

*登場人物の敬称は省かせていただきました