私にとっての「ジゼル」

ご紹介した写真は牧阿佐美バレエ団公演「ジゼル」と「牧神の午後」の広告用写真です。

 

実は「ジゼル」に対しては私個人の特別な思いがあるので、今回はそのことに関する話をさせていただきます。

 

1971年5月、牧阿佐美先生の母にあたられる橘秋子先生がご逝去なされました。

そして同年8月に<橘秋子追悼公演>が開催され、その際に私は牧阿佐美先生よりゲスト出演のお誘いをいただいたのです。

 

牧先生には師事していても橘秋子先生には一度も指導していただくチャンスがなかった私なのにも関わらず追悼作品の一つである「ベートウベン・第五シンフォニー」への出演のお誘いは、私にとって正に身に余る光栄でした。

勿論、二つ返事にてお受けして踊らせていただき、このことが切っ掛けとなって間もなく、私は牧阿佐美バレエ団に正式入団することとなりました。

 

入団した後の初舞台となったのが今回の牧バレエ団公演と同じ「ジゼル」で、その時私がいただいたお役は<ミルタ>だったのです。

 

第二幕に於いてウイリ(妖精)達を支配する女王である<ミルタ>役は、主役に次いでドラマを運んでゆく重要な役なので、入団早々の私にとっては牧先生の抜擢に応えんとする大きな義務感と、同時にこのような大役を踊れることへの喜びで心も体も右往左往していたのを今でも忘れません。

 

そうです!私にとって「ジゼル」は私が牧阿佐美バレエ団と共に現在までの歴史を歩まんとする出発点となった記念すべき作品なのです。

 

「白鳥の湖」とは一味もふた味も違う ”悲劇と感動のバレエ「ジゼル」”

是非皆様も一度はご覧になってみてください!