口紅デビュー

紗良のパパがカンボジアへ出張なのでその間、紗良母子は藤沢に帰って来ました。

 

到着した次の日の木曜日、辻堂のテラスモールへ買い物がてらランチも兼ねて3人で出かけて行ったのです。

 

<赤ちゃんほんぽ>で紗良の

ママが買い物をしている間、

私は紗良とオモチャ売り場をうろうろして時間つぶしをしていたのですが、時間つぶしをしていると思っていたのは私の方だけで紗良は様々なオモチャに嬉々として目を輝かせていました。

 

と言うのも、紗良は以前にも何回かこのオモチャ売り場で私にアンパンマンシリーズの縫ぐるみを買ってもらったのをしっかり覚えていて、今日も狙いのグッズを私にネダルつもりだったのです。

 

さて、結局私は本日の紗良にとってのねらい目だった<こきんちゃん>なる縫ぐるみを彼女の魅惑的な笑顔に負けて買ってあげる羽目となり、紗良の方は大好きな<こきんちゃん>を手に上機嫌!

 

その後紗良のママと合流してお弁当を買ってのランチをすることにしました。

 

それぞれの好みのお弁当を楽しみながら食べた後、私が口紅用の小ケースを出して携帯用の小さな紅筆で口紅を塗っていると、すぐそばにじーと興味深気に見つめる紗良がいました。

 

「紗良も塗ってみる?」すかさず「ウン・・」と乗り気な紗良です。

私が紗良の小さな唇を紅筆でなぞると、紗良は真剣な顔で集中して唇をつきだしました。

 

口紅ケースの鏡を紗良の口の前に差し出してあげると、紗良は嬉しそうに自分の薄紅色に染まった唇を鏡越しに見てそして次には得意げに

「見てー・・」とママの方をむいて興奮しながら叫びました。


11月に2歳の誕生日を迎えたばかりの紗良はこの日、早くも女の仲間入りの第一歩を

<口紅デビュー>を以て果たしたのです。