ベートーベン「第九シンフォニー」

11月9日(日)NHKホールにてベートーベン「第九シンフォニー」を観劇しました。

 

この催しは東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団の共同制作で

<東京バレエ団創立50周年記念シリーズ第7弾>を銘打っての公演です。

 

演奏するオーケストラはイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団。

指揮者にはズービン・メータ氏、歌い手には<ソプラノ・メゾソプラノ・テノール・バス>にそれぞれ著名なゲストを招き、数十名に及ぶ合唱団の面々・・・という超豪華キャストならチケットの価格も超高価でした。

 

この作品は私にとっては特別な想いがあります。

私が現役時代に渡欧していた際、モーリス・ベジャールバレエ団のシーズン・オーディションにパスして第4楽章における4組のソリスト役で出演した思い出深い作品なのです。

 

今回は第1楽章が東京バレエ団のダンサーに配役されており、上野水香さんと柄本弾氏がソリストとして踊られて持ち前の魅力を全身で発揮して場を盛り上げていました。

 

そして作品はベジャール独特の力強い躍動感あふれるダンサー達の動きと、ステージ上に配置されたオーケストラが奏でるリズムとハーモニーとが融合して、見る者を異次元の世界へと誘っていきます。

 

第2楽章、第3楽章と進み、第4楽章の冒頭は私が出演した時代にはかの有名なジョルジュ・ドンが威風堂々、正に風を起こすような存在感で踊っていたものでしたが、今回も野生的な魅力いっぱいのダンサーがこのパートを踊り客席を圧倒していました。

 

第4楽章後半からは黄色系のレオタードに身を包んだダンサー60名以上が歓喜の表現を以て躍動し、更に合唱が加わって盛り上がりは最高潮に達しての終幕に客席は感動の拍手で呼応、このイベントとも呼べる公演の成功を物語っていました。


私は懐かしさと感動の入り混じった爽やかな気持ちで、病み上がりにしては軽い足取りの自分に驚きながら会館を後に渋谷駅へと向かいました。