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私のスタジオの床についての話です。
今から33年前に現在の建物を建築する際に私がこだわったのは一番目にスタジオの床、二番目に天井の高さ、そして三番目が道路側の窓のデザインでした。
毎日長時間にわたって訓練を重ねるダンサーにとって最も身近に影響を受けるのは床です。
床が固すぎる木材でしかも直接コンクリートの上に設置されている場合、床の弾力の無さと冷えでダンサーの足腰にはかなりの付加を与えます。
バレエを学ぶ子供たちは数年で区切りをつけるケースもありますが、10年単位でそれなりの目的をもって続けていく子も少なくは無い現状で、床は彼等の命綱と言っても過言ではないのです。
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建築計画の際に、私は現場の主任の方に富ヶ谷の橘バレエ学校まで出向いていただき、バレエの理想の床について勉強していただきました。
結果、木材は桜を使っての二重張りの床が理想的な床となることが解ったので、スタジオも同様な施工にしていただいた結果、現在に至るまで一度も修理せずに使用出来ています。
桜は日本の国花でもあり花の美しさは定評済みですが、樹木の価値も花に負けず劣らず多様。
床は勿論のこと家具から食器、楽器(ピアノ・琵琶など)にも使用されていて、硬さの中にも人肌に馴染む性質を持っているそうで、当然足にも馴染んで踊り易い訳なんですね。
せっかくの床には保護の為のニスも2度塗りまでに抑え、一にも二にも踊り手の足腰に良かれとしてきましたが、<その成果は確実に実を結んでいる>と自負している私です。
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