サンフランシスコ・バレエ団(その2)

サンフランシスコバレエ団「くるみ割り人形」第2幕の幕明きです。

装置はすべてが飴をデザインした宮殿で、飴は透明感のある色付きのガラス細工のようにカラフルで素敵でした。

 

貴族がいて衣装が面白く、袖がソフトクリームをデザインしているものや頭にチョコレートを載せていたり、どの貴族もなにかしらのお菓子がデザインされていて楽しいムードがいっぱいの舞台。

 

踊りで印象的なのは<アラビアの踊り>で、サーヴァントが大きな積み木風の箱を運んで来てセンターに置き、音楽が始まると・・・ あら!不思議!!・・・

 

箱の中からしなやかな手が音楽に合わせてコブラのようにクネクネ。そうしているうちに頭が出てきて世にも美しい女性が、入っているはずの無い大きさの箱から踊りながら出てきたのです。

まるでマジックショーを見ているようですが、踊りはトウシューズを履いてのバレエで、しかも上手なのでアッという間に終わってしまいました。(もっと見たかったのに・・・) 舞台機構のセリを上手に使ってのマジックなのでしょう。

これには息子達も大喜びで身を乗り出して見入っているほど。

 

次に印象的だったのが<花のワルツ>でした。

通常のようにコール・ド・バレエとソリスト陣という構成ではなく、始めから終わりまで16人のコール・ド・バレエだけなんですね。

衣装が装置の飴の色に合わせた、いわば飴の精といった設定で、4人づつが4色に分かれたコール・ドとも思えない程の凝ったデザインの可愛い衣装でした。

全員がソリストのように、交互に躍動感溢れたテクニックを踊りまくり、これまた長いワルツ(7分以上の)をアッという間に踊り終えました。テクニシャンがいっぱい!

 

主役はというと、構成が2幕の幕開きに金平糖の女王がヴァリエーションを踊っての登場で、最後は王子とのパ・ド・ドウのみでフィナーレに入っていく形式で、新鮮な印象を受けました。勿論美しくて上手でしたよ。(小柄でほっそりのタイプ)

王子は残念ながら私の好みではなかったのですが、テクニックはキッチリ踊られていました。

 

今から25年も前の話ですが、今までお話ししたことはきっと死ぬまで私の目と心に焼き付いて消えることは無いでしょう。

 

追伸 バレエ団はディレクター(芸術監督)が変わるとプログラムも大幅に入れ替わるの

   で、今では全く違うバージョンになっているはずです。

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この写真は当時のサンフランシスコバレエ団のディレクターであるヘルギー・トマソン氏が
牧阿佐美バレエ団に招聘されて、氏の振付の「コンブリオ」上演後に撮影されました。

 

トマソン氏の前任のディレクターが私達家族がサンフランシスコで観た「クルミ割り人形」の振付者とのことでした。

 

 

 

写真左から 大畠範子・酒井はな・押領司さん・トマソン氏・小倉・佐々木想美・狭間先生

 

「コンブリオ」は男性2人 女性3人での20分ほどの小品ですが 上質のテクニックとロマンティックで情緒豊かな作品で私はこの作品が大好きです。