サンフランシスコ・バレエ団(その1)

前々回の続きです。

「クルミ割り人形」の幕が明いたところからなのですが、その前にサンフランシスコバレエ団の事で一つだけお話ししておきたいことがあります。

 

詳しい歴史はさておいて、ある時期からこのバレエ団は財政困難に陥りバレエ団の存続すら危ぶまれる状態に陥ったそうです。

そんな状態から少しでも抜け出る策として、ダンサー達は  <辻芸人>ならぬ<辻バレエ>を行って、道行く人たちの関心を集め、ファンづくりにはかなりの功を奏したとのことです。

 

そして、スポンサーを大口の人に限らず金額を10段階くらいに分けての呼びかけが成功し、カンパニーは徐々に生き返って、アメリカを代表するバレエ団の一つにまで成長しました。

この感動的な話はチケットを手配してくれたエージェントから聞き、そんなサンフランシスコバレエ団の「くるみ~」に対する期待は私の中で大きく広がっていったのです。

 

幕が明く前の前奏からして私の好みで、身体がウキウキしてくるようなリズム感が伝わってきたのを今でも思いだします。

第一幕はなんといってもネズミと兵隊の戦いの場面が圧巻でしたね。

場面が変わると、ディズニーのアニメのような世界でその美しさと現実とはかけ離れた演出に客席から感嘆の声があがっていました。

 

ネズミ役は全員(6名)男性で、でっぷりと太った迷彩服のうすのろな兵隊風

兵隊役は可愛い金髪の子供たちで(8名)、ピシッと着込んだ英国風の兵隊服がネズミの迷彩服とは対照的で、きびきび動く兵隊たちに、飲んだくれ風のネズミ達がやられっぱなし・・・(笑)

主人も真平もすっかり引き込まれて眠いどころではなく、楽しんでいる様子に私も満足!

 

次の雪のシーンは特別に個性的ではないものの、クラシックバレエの正当性を重んじる演出・・・という趣で、ガラリと雰囲気が変わり女性ダンサー全員がボンのチュチュにスラリとした長い脚で軽やかに踊る様は正に雪が舞っているようでした。

さて第2幕ですが、これも又詳しく説明する価値があるほど素敵!なので次回につなげたいと思います。